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  ▼ コラム      column
    01さあ開業、でも・・・
    02資金はどうする?
    03フランチャイズは?
    04どんな形態の店?
    05どんな設備を導入?
      (1)炭火焼き
      (2)炭火タイプ
      (3)セラミックタイプ
      (4)溶岩タイプ
      (5)赤熱板タイプ
      (6)ロストルタイプ
      (7)ガスロースター
      (8)電熱式ロースター
      (9)ノンダクト
    06メニューは?
    07調理経験がない・・・
    08BSE問題は?
    09炭火の扱いは?
    10地方は不利?
どんな設備を導入したらよいか?

 静かで広々とした場所で、ぽかぽかと暖かな日差し、すがすがしいそよ風、せせらぎの音が聞こえる中で、家族や親しい友人と一緒に、炭火を起してくつろぎながら焼肉やバーベキューを食べるのは最高です。どんな料理人の腕前も、どんな高性能な設備機器も、どんなに行き届いたサービスも、これには及びません。




家族や親しい友人と楽しむ
アウトドアのバーベキューは、
焼肉店のライバルであり
サービスの究極の目標

 

 それで、より簡単に炭起しができるようにする設備、炭ではなく安価で安定した別の熱源を活用する設備、室内から煙や臭いを効果的に排出したり閉じ込めたるする設備など、焼肉店特有の設備がどうしても必要になります。もちろん、大型冷蔵庫、食器洗浄機など、飲食店に共通の一般的な厨房機器も必要ですが、ここでは特に焼肉店特有の設備を、肉を焼く熱源を何にするかという選択を軸にご説明します。

 ここで言う「熱源」とは、プロパンガスなど最初の発熱源となる「一次熱源」と、その一次熱源からの熱を受け取って高温になることで、焼肉に効果的な遠赤外線などを発する「熱媒体」の両方を指しています。
 熱媒体が必要となるのはもっぱらガスが一次熱源の場合です。ガスの火力それ自体は焼肉の熱源としてあまり適していませんが、熱媒体と組み合わせることによって、より適した環境を作り出すことができます。
 現在、一次熱源には以下のようなものが使われています。
 1.木炭   備長炭、形成備長炭、オガ炭
        一般木炭(ナラ、スギ、松など)
        竹炭、パーム炭(椰子の皮)
 2.ガス   都市ガス、LPG、天然ガス
 3.電気   単相100V、単相200V、三相200V

 また熱媒体には以下のようなものが使われています。
 1.ロストル    鋳鉄板、鉄板、アルミ板
           (テフロン加工のものもある)
 2.セラミック    珪素系セラミック
           (分離型と一体型がある)
           炭素系セラミック
 3.溶岩弾     (梅の実大のマグマ塊)
 4.石板      (プレート状の岩石)
 5.赤熱板     (金属製放熱板、透熱板とも)     
●炭火焼(七輪とフード)

珪藻土七輪

珪藻土には「切出し」と
「練り」とがあり、
一般に「切出し」のほうが
より上質である
 炭だけで肉を焼く方法です。燃焼器には珪藻土七輪を使用するお店が多いようです。炭火は厨房の火起し専用大型コンロで起き火の状態にして、七輪に小分けしてから各テーブルに運ぶのが一般的です。他の方式で焼く場合に比べてかなり濃密な煙が発生しますから、各テーブルの上方に排気用フードを取り付けて、室外に排気することになります。

 おいしく肉を焼く点では、これが最も適しています。理由は、高温で良質の遠赤外線が発生するため食材の外側を焦がさずに内部まで火を通すことができことや、炭の燃焼時に一酸化炭素が発生して食材の周囲で脱酸素効果を発揮するため、食材そのものの酸化をある程度抑制することができること、またガス火を使わないので対流熱(高温気流)にあまりさらされず、素材のみずみずしさ(いわゆる「しずる感」)が保たれるなどが挙げられます。

 炭火スタイルを導入する利点としては他にも、イニシャルコスト(初期費用)がロースターに比べて比較的安い点や、ロースターのような機械メンテナンスが必要ないこと、熟練した料理人がいない店でも比較的おいしい肉を提供できること、「炭火」を売りにすると集客力が高いことなどが挙げられます。

 しかし、同時にデメリットもあります。ロストル方式などに比べて煙が多く出ること、フード・ダクトを通してかなりの排気を行なう必要があるので、室内空気の入れ替わりが速く、冷暖房のコストが高いこと、1回の食事で500グラム程度の炭を消費するのでその経費が必要なこと、お客さまが来店してすぐに召し上がっていただくために常にある程度の起き火を準備しておかなければならないことなどです。さらに、七輪コンロでの使用に合う大きさに炭をカットしておかなければならない、炭や灰の後始末をする必要が生じるなど、何かと手間がかかります。

<ご参考>
 当社は、炭火スタイルのお店では冷暖房のコストがかさむということを考慮して、室外から取り込んだ空気を煙と一緒に再び室外に排出することで空調効率のロスを抑える省エネフード・システム(特許)も開発いたしております。


七輪スタイルは
排気フードを併用する
写真は パンソリ(札幌市)
「炭火」は集客力がある


給排気を同時に行なって
空調費を節約できるフード

写真は渠ェ千代北海道製
●ガス式ロースター
 ロースターと呼ばれるテーブル型ガス調理器を用います。ロースターには、室外に排気を出すダクト式無煙ロースターと、フィルターで浄化した排気を室内に戻すノンダクト式ロースターとがあります。いずれの場合もガスの配管工事が必要で、ダクト式はさらに排気のためのダクト工事を伴います。ガス種には都市ガス・LPGなどがありますが、LPGの場合はガス販売業者がガス工事費の一部または全部を負担してくれるところが多いようです。

 ガス火の特徴はその炎にあります。ガスの炎はその先端が最も高温になる性質があります。ですから、ガス火で直接食材を焼くと表面がすぐに焦げてしまい、中まで火が通らないうちに表面が炭化してしまいます。それで、ガス式ロースターは何らかの方法でガス火の熱を拡散させるか、熱媒体によって別の種類の熱に変換して用いています。たいていは、炭火に含まれるような遠赤外線の輻射熱をガス式ロースターでも出せるように工夫されています。


ノンダクトロースター

見た目はダクト式と
同じだが電気集塵器を
内蔵している
写真はジョイテック叶サ
セラミックタイプのロースター


セラミックを加熱すると
赤熱して遠赤外線を出す
写真は八千代機械叶サ
 セラミックタイプのロースターは、一次熱源にガスを使い、熱媒体にセラミックを使います。セラミックは炭の遠赤外線効果を代用する目的で開発されました。輻射熱量で炭には多少劣りますが、それなりの遠赤外線効果が得られます。ガス火ゆえに一酸化炭素よりも二酸化炭素が多く出るので、焼き上がりの風味に酸化した感じが残ります。旨みも炭よりは劣ります。しかし、炭よりも扱いが容易なので、広く出回っています。

 欠点としては、セラミック部分が消耗品であること、壊れやすいので注意して扱う必要があること、1回当たりの交換単価が高いことなどが挙げられます。一般の珪素系セラミックは通常の営業で3-4ヶ月ほど使用可能で、交換するのに6,500円ほどかかります。炭素系セラミックの場合1年ほど使用可能で、1万円から1.5万円ほどです。

 本来、遠赤外線は目に見えない光線なのですが、赤く光ったほうがお客様の受けがよいとの理由で、最近のセラミックは、あえて赤熱するように作られているようです。その分、遠赤外線効果は低減しています。
セラミックはあくまでも
炭の代用品であり、
炭と同等ではない。
溶岩弾タイプのガス式ロースター


溶岩弾も加熱すると
遠赤外線を出す

写真は山岡金属工業鰍フ出荷品
 セラミックタイプのロースターと同様にガスを一次熱源とするロースターを使用します。熱媒体の溶岩弾が赤熱することで遠赤外線を発生します。焼きあがりはセラミックと同様の効果があります。最近のロースターは、オプションパーツの交換のみでセラミックと溶岩弾を容易に使い分けることができます。

 溶岩弾の利点・難点はほぼセラミックと同様ですが、セラミックと違う点は、溶岩弾が天然品であるため、製品形状にばらつきがあり、まれに内部に空気が混入している石があります。そのため、使い始める前に空焼きして気泡の空気をはじき飛ばしてから使用しているようです。
 他に欠点として、石を洗った場合はよく乾燥させなければならないこと、溶岩は消耗品なので補充していく必要があることなどもあります。さらに、石が十分に熱せられるまでは、食材の焼け具合がやや劣ること、脂肪分の多い肉から油脂が溶け出して石に掛かった場合、燃焼して炎が出やすくなるなどの点を挙げることができます。
 しかし、これらはいずれも、こうした性質を理解して取り扱うこと、焼き方を指導することや食材の選択の仕方などによって克服できる事柄であるとも言えます。

 溶岩は、岩石の種類からして三宅島産のものが最も品質がよいとされていますが、最近の三宅島噴火災害の影響で入手が困難になっています。現在のところ主に別産地の溶岩が出回っています。
溶岩弾も炭と同等に
考えることはできない。
炭火タイプのガス式ロースター


JMシリーズ

ジョイテック叶サ
パーツの交換で
炭火・セラミック
・溶岩弾・熱板の
4通りに使用できる
 一次熱源はガスですが、そのガス火で炭火を熾こし、炭が十分に熾きたころにガスを止めます。実質的には炭火焼の効果が得られる方法です。炭火とロースターの「いいとこ取り」の設備と言えます。

 珪藻土七輪での炭火焼に比べて、炭熾こしのための設備や手間が要らないことなどが利点ですが、お客様が来店してからガス着火するので、熾きるまでに多少時間がかかります。お店によっては、やはり七輪の設備の場合と同様に、あらかじめ専用コンロで熾き火を用意しているところもあるようです。初期費用が他のロースターと同様にかかり、機械メンテナンスも必要な上、さらに毎日の営業で木炭を消費しますので、他の方法に比べて経費は多少割高になります。

 それでも、炭焼のおいしさが味わえるのでお客様には好評です。とりわけ近頃は炭火ブームですので、「炭火」をうたうことでかなり集客力が得られます。オプションパーツの交換でセラミックタイプ・溶岩タイプに変更が可能なものが多くあります。


ロースターで炭が
使えるのは魅力
写真は一般的な形成備長炭
ロストルタイプのガス式ロースター


ロストルタイプ
写真は山岡金属工業叶サ
 熱媒体にロストルと呼ばれる厚い金属板を用いる方法です。他のタイプのロースターでは食材を金網などに載せて、熱媒体とは直接触れないようにして焼くのに対して、ロストルタイプでは、熱媒体であるロストルそのものに肉を載せて焼きます。兜型鍋を用いる「ジンギスカン焼肉」に近い形となります。肉が焼ける原理は、鉄板でステーキを焼くのと同じです。この方法は焼肉の草創期からある方法で、現在のところ最も普及しているスタイルです。一般に焼肉というとこのスタイルを思い浮かべる人も多いはずです。

 ロストルには鉄製、鋳物製、アルミ製などがあり、韓国ではさらに銅製、真鍮製などもあるようです。また、アルミ製にセラミックをコーティングしたものなどもあり、熱伝導率が優れています。
 ロストルの特徴としては、熱せられても遠赤外線ではなく普通の赤外線が出ること、また、ロストルから伝導熱で直接熱を受けることです。熱伝導率が良ければホルモン類を焼くのには適していますが、精肉を焼くときには時間がかかることが多く、表面が先に焼けるので炭火のような焼き上がりは期待できません。

 また、スリット以外の部分で肉汁が焦げて食材に付着し、肉がまずくなってしまうことが欠点として挙げられます。これを防ぐために、お客さまの食事の途中で、あらかじめ熱しておいた別のロストルと入れ替えるようにしているお店も多くあります。

 しかし利点としては、セラミックや溶岩に比べて扱いが楽で、経費や手間が比較的少なくて済み、ロストル自体はかなり長持ちします。砂糖分の少ないモミダレの導入など、調理面で工夫すればそれなりの味も出せますので、十分に選択肢の一つとなります。
ロストルは最も普及している







工夫次第でおいしく焼ける
赤熱板タイプのガス式ロースター


赤熱板で網焼き
写真は山岡金属工業叶サ
 熱媒体にステンレスの赤熱板を用いるロースターです。赤熱板はセラミックの代用品として登場しました。セラミックのような遠赤外線はほとんど出ませんので、セラミックと同等と考えることはできません。しかし、セラミックより安価で長持ちします。 赤熱板を取り付けることで、ロストルだけでなく網焼もとりあえずできるようになるので、まずまず評価できます。
石板タイプのガス式ロースター


石板タイプ
写真は山岡金属工業叶サ
 ガス火で石を加熱してその上で食材を焼き上げる方法です。遠赤外線が出ますので、焼き上がりは非常に良いものです。しかし、現在まであまり普及していません。欠点として挙げられるのは、非常に重いことです。そのため取り扱いが不便で、洗うのもひと苦労といった具合です。家庭なら良いのでしょうが、業務用には不向きと受け止められています。 良いものだが扱いにくい
●電熱タイプのロースター

電熱ロストル

一次熱源は電気
写真は山岡金属叶サ




電熱ノンダクトならビルの
中高層階でも開業できる
 電気で電熱線を加熱して熱源とするロースターです。ロストルタイプが普通です。赤外線が出ますので、焼き上がりもなかなかのものです。しかし、他の熱源に比べて光熱費が割高になります。さらに、たいていは導入するときにある程度の規模の電気工事が必要になります。

 しかし、ビルの中高層階など種々の制限を受けやすい場所でも開業できる利点があります。さらにノンダクト方式なら、ロースターを固定する必要がなく、電気コードが届く範囲ならいつでも好きなように店内レイアウトの変更ができます。
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