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炭火の扱いは難しくないか?(2)


炭熾し部屋(区画)をつくろう
  炭火スタイルでお店を運営するなら、炭熾し部屋ないし炭熾し区画を設ける必要があります。30卓以下の規模のお店なら、1坪ほどの広さがあれば十分です。 新築の建物の場合や既存建物を全面改装する場合は、設計の段階で盛り込んでおきましょう。既存テナントを少し手直しして開業する場合、「部屋」までは用意 できないかもしれませんが、店舗内に「区画」を設けることで対応できます。既存店が炭火を導入する場合も同様です。
  炭熾し部屋(区画)については消防法上満たすべき用件がいくつかありますが、取り立てて高いハードルはありません。(詳しくは、弊社にご相談ください。) 床や周囲の壁を不燃性の建材で仕上げれば、万一熾き炭を落とした場合でも心配ありません。右の写真は煉瓦調タイルで仕上げた場合の炭熾し区画の例です。

炭火を熾してみよう
  炭熾しは、覚えてしまえば、誰にでも簡単にできる作業です。決して熟練した火熾し職人が必要なわけではありません。しかし、いくつかのコツがありますの で、覚えておくと助けになるでしょう。ここで簡単に、上記のような炭熾し設備を導入した場合の炭の熾し方の流れをご紹介します。

1.厨房で種火を作る
火熾し鍋
ここに炭を入れて
直接ガス火にかける
 まずはほかの炭を熾すための種火を作ります。これは1日の営業が始まる前に1回だけ作れば良いものです。厨房のガス台で熾すのが良いでしょう。
 前日の営業で一度熾して消した「消し炭」があれば、それを使用します。なければ新炭でもかまいません。お店で使用している使い捨ての網か火熾し鍋をガス 台の上に載せ、その上に小さく割った炭のかけらを5〜6個を載せ、ガス火にかけ赤熱させます。このときかかる時間は「消し炭」の場合は10分、新炭なら通 常15分から20分です。
 実は、炭を熾すのにガスを使うと、ガス火が酸素を消費してしまってなかなか炭が燃焼しないという結果になります。ですが、最初の種火だけは他に方法がないので、やむを得ません。

2.種火を炭熾し焜炉の中に入れる
熾き炭を運ぶための「什納」
二重構造のものもある
  厨房で熾した種火を「什納」という炭運搬用の手鍋に入れて炭熾し焜炉まで運びます。火熾し鍋で種火を熾した場合は、そのまま運んでも差し支えありません が、鍋本体が高温になっていますので注意しましょう。什納の場合、鍋が二重構造になっていて外側は熱くならない製品もあります。
 種火は、火ばさみを使ってできるだけ手前の送風口付近に置きましょう。いわば「風上(かざかみ)」に置くことで、効率がよくなります。
 ここまで終われば、いつでも熾き炭をお客様のテーブルに運べる準備が整ったことを意味します。この段階から熾き炭ができるまでの時間は長くて7分ほどです。

3.新炭ないし消し炭を焜炉の中に入れる
 いよいよ、お客様のテーブルに出すための熾き炭を作ります。ここからは、必ず革手袋をはめましょう。
 種火の上から新炭や「消し炭」を必要な量だけ載せます。「消し炭」とは、前もって一度熾き炭を作り、それを火消し壺で消しておいたものです。一度熾きて消した炭が再び熾きるのは、未燃焼の新炭が初めて熾きるよりはるかに簡単です。
 無駄にならないように、必要な分だけを焜炉に入れます。ふつうは1卓あたり300〜500g必要です。お店の七輪の大きさをよく見極めて、目安を決めて おきましょう。しかし、最初のうちは、慣れるまで多少のロスを覚悟して、多めに炭を熾しておくことも必要かもしれません。

4.空気を送って炭を熾す
「火熾し器」
火熾し器S-700については
こちらをご覧ください。
 焜炉の中に炭を入れたら、@まず焜炉の蓋を閉じてください。A次に排気ファンのスイッチを入れます。Bその後、焜炉の手前に置いてある送風機のスイッチを入れ、Cボリュームを最大にします。この手順を間違えると、焜炉の中の灰が吹き出してきますので注意してください。
 焜炉の中に酸素が供給されるにつれて、種火が燃え広がり、どんどん炭が熾きてきます。消し炭なら1〜2分で完全に熾きます。新炭でも5〜7分で熾きま す。その後は、送風機を稼働させる必要はありませんので、スイッチを切りましょう。ただし、排気ファンのスイッチは決して切らないでください。炭が熾きて いますので、一酸化炭素が発生しているからです。
 熾きた炭のうちいくらかは、次回の種火用に残しておきます。最初の種火と同じくらいの量が必要です。2回目以降は上記の「3.〜」から始めます。

5.余裕ができたら「消し炭」を作ろう
火消し壺
 上手な炭熾しのひとつのコツは、前もって「消し炭」をたくさん作っておくことです。「消し炭」ならすぐに熾き炭になります。比較的お客様が少なくて余裕があるときに「消し炭」を作ったり、閉店後に翌日の分を作ったりできるでしょう。
 熾きた炭をそのまま放置すると燃焼が進んで消費してしまいますから、熾きたらすぐに火消し壺に入れましょう。火消し壺の蓋を閉じると、酸素の供給が遮られ、やがて消火します。
 このようにしてできた「消し炭」は、翌日の種火や営業用の熾き炭へと活用できます。
 

 炭熾しシステムの導入と簡単なトレーニングで、学生のアルバイトさんなどでもすぐに上手に火熾しができるようになります。
 これまでにこうした炭熾しに取り組んできた方々のお話によると、たいていの従業員はほぼ1回のトレーニングで、炭熾しをマスターしているようです。ま た、一週間も経てば炭のロスもかなり少なくなり、最適な量の熾き火をちょうどよいタイミングで提供できるようになっています。
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